【ツェルニー】ピアノのおけいこでよく聞くあの楽譜って? その2 【ブルグミュラー】

教室・教育
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こんにちは、木内です。

 

昨日の記事では、ピアノのおけいこでよく使われる楽譜・教材(教則本)について少しご紹介しました。

ツェルニー100番練習曲の部分で終わってしまいましたので、今日は続きの30番練習曲と、「ブルグミュラー」について、使い方も交えてお話ししたいと思います。

 

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ツェルニー30番練習曲

正確性と速いテンポを要求される

前の100番練習曲をしっかりやってきた、特に60番~70番以降にもチカラを入れてきた生徒さんなら、30番練習曲は譜読みをするのは難しくないでしょう。

リズムも割とシンプルですし、調性も複雑なものは少ないです(多くても調号3つまでが多くを占めます)

しかし30番練習曲の大きな特徴として、テンポ指示が全体的にかなり速いことがあげられます。

今回この記事を書くにあたり、あらためて目次に目を通してみました。単純にメトロノーム記載のテンポ表記を基準にするならば、 Allegro 以上がほとんどです。4曲ほど Allegretto がありますが、それらも感覚的には「やや速く」どころではありません。一曲 Moderato Vivace (e leggiero)という珍しい表記もありました…

ちょっと寄り道:テンポのおはなし

楽譜に精通していらっしゃる方はご存じのことですがが、テンポというのは単に「120」などの数字の高低だけに注目するものではありません

この速度表記の数字部分は、「1分間の拍数」すなわち1分間に何度カウントするか、を表します。BPMという用語ならば知っている方もいらっしゃるでしょう。Beat Per Minute、まさしく同じものです。よく例える方法ですが「60」ならば、秒針と一緒ですね。

1番を例にあげると

1番を例にあげましょう。

拍子は 4/4 で、登場するリズムは4分音符と8分音符の3連符(4分音符の3分割)、あとは長めに伸ばす音で、2分音符と全音符が登場します。

そこでBPMは100なので、そこまで速くない……?

いえ、それはBPMの基準が4分音符の場合です。それでは100番ツェルニーに登場する難易度でしょう。

この曲、「2分音符=100」なのです。つまり4分音符基準では、BPMは200になります。

これは振り子式メトロノームを一番下に下げて、2個くらい上に戻した速さです。

 

言葉での表現は限界がありますが、これはかなり速く、しかも右手に関しては1つの音を伸ばしながら他の音を弾く部分も登場します。結果的にこの課題では、5本の指1本ずつの独立性や、最後まで音が弱くならずに弾ききれるスタミナが要求されます。

 

その他にもテンポこそ遅めですが、32分音符中心などリズムが細かい曲も多く出てきます。

もちろん速さや音程・リズムの正確性だけでなく、そこに指示されているスタッカート強弱記号なども多く登場します難しくて弾くことに振り回されるだけ…とならないよう、演奏技術を身につけるための教材でもあると思います。

 

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ブルグミュラー 25の練習曲

ブルグミューラー一家?

この練習曲集を書いた音楽家の名前は、ヨハン・フリートリヒ・フランツ・ブルグミューラー。父と弟が音楽家で、指揮者であったり、オーケストラなど様々な作品の作曲家として有名でした。一方、兄であるフランツは父からピアノの手ほどきを受けており、26歳のときにパリに移住し、バレエ曲や舞台用のオーケストラ作品を書く流行作家となりました。

しかしあまり高い評価を得ることが出来ず、しかしながらピアノ教師として活躍し、またピアノのための小品を600曲以上作曲されたそうです。

他にも「12の練習曲」や「18の練習曲」を書いていますが、やはり「25の練習曲」が広く知られることになったのは、それだけ人気があり定着したということではないか、と僕は思います。

え?練習曲なの!?

練習曲と言っても、ツェルニーとは随分ベクトルの違う体をなしているのが、この練習曲。

なんと、1つ1つにタイトルがついています

特に日本ではこの曲集を用いられることが多いらしく、「アラベスク」や「バラード」「貴婦人の乗馬」(今は単に「乗馬」)をはじめとした人気曲は、ピアノ教室の発表会でもよく演奏されるほどです。

タイトルが付くくらい、それぞれの作品はまるでおはなしのように、短いながらもとても魅力的な音楽作品です。イメージが湧きやすいのもお子さんに人気の理由なのでしょう。

「今やってるツェルニーはちょっと苦手だけど、このブルグミュラーはすごく好き!」ということもしばしば。気持ちはよく分かります。

(あ、ツェルニーだって結構「曲っぽい曲」がありますよ?50番練習曲の最後、50番はものすごく格好よくて、好きでした。)

 

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さて、これら「練習曲」をどう選択する?

ここでふと思いました。

 

・ツェルニーもブルグミュラーも練習曲。

・バイエルを終える頃には、100番ツェルニーの冒頭程度ならカバー出来ている。

・となれば同じ練習曲。ツェルニーを使わず、バイエル→ブルグミュラーでも良いのではないか?(ブルグミュラーが終わったら、100番の途中からスタートする?)

 

僕はこれは賛成出来ませんその考えであればツェルニー”も”絶対にやるべきです。

もしくは他の練習曲集でよさそうなものがあれば、それを併用するべきでしょう。

実際このルートを使われている先生方がいらっしゃったら申し訳ないのですが…どうなんだろう?

 

確かに同じ練習曲のくくりではありますが、性質が違います

まず誤解の無いように言いますが、ブルグミュラーの練習曲としての価値」は非常に高いものです。和音や同じ音型の反復などの、テクニック的な要素はバラエティに富んでますし、フレーズ感や曲の構成などを感じ、ピアノで表現するという点、そしてそれらを楽しみながら学習出来るというのは、ブルグミュラーならではだと思います。

 

その点、ブルグミュラーと比べるとツェルニーは、曲によっては非常に単調に感じることがあります

ただし、スケール、和音、分散和音にアルペジオ、トリルなどに代表される重要な演奏技術は、それらを忍耐強く繰り返し練習する以外に身につける術はありません。

 

これがピアニストとして指導者として、また三十年以上ピアノと付き合ってきたからこそ思う、僕なりの考えです。

ツェルニーの選択肢

30番や40番、さらに50番など難しいものはいくらでも出てきます。でも100番は例えつまみ食いしながらでもやる価値はあると思います。

指導者サイドとしての悩みは、本当に分量が多いので、ペースよく進めたり途中取捨選択したりしないと、いつまでたっても終わらない…というところでしょうか。

 

また、ツェルニーを30番から始めたという話を聞いたことがあります。というか母なんですが…

初めて聞いたとき「マジ!?」って聞き返してしまいました。それはそれですごいなーって単純に感心してしまいました。しかしそのかわり、一つ一つをものすごく丁寧に厳しく指導していただいたようです。(見習いたい)

また僕の教室でも30番から始めさせた生徒さんがいます(とある事情で例外的に)。もちろん、無理ならばやらないことですし、その選択をしたからには厳しめにやっています。

 

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次回は「ハノン」と「ソナチネ」を

練習曲の話でついアツく語ってしまいました。

次回で一度シメにしようかと思いますが、「ハノン」「ソナチネアルバム」を取り上げようかと思っています。

 

「ブルグミュラー終わったらから、来週からソナチネやろう」というくらい、よく使われる曲集です。いよいよ、練習曲の影は消えていきます…

 

と思いきや、「ハノン」は基礎練習曲集です。スポーツで例えたら「準備運動」です(※僕の例え)

練習曲についてこれだけ書いたのに「基礎練かよ」という声が聞こえてきそうですが(笑)

お付き合いいただければ嬉しいです。

 

それでは、今日はこの辺で!

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