【PC】パソコンってどんなパーツで構成されているの? その1【マザボ / CPU / GPU編】

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こんにちは。

8月に自分で組んだパソコン(PC)を、いまだにいじくり回している木内です。

スマフォやタブレットの進化により、PCの代替手段になるシーンも多いのですが、それでもまだまだ普通に使われています。

ボタン一つ押せば起動するわけですが、その箱の中身は何が入っている分からない「ブラックボックス」…という方も多いかと思います。

もちろん多くのパーツが使われているわけですが、CPUとか、メモリとか?…聞いたことあるけど何なんだろう?

今回から数回に渡って「PCはこんなパーツで構成されていますよ」というのを分かりやすく解説していきます。

今回は「マザーボード」「CPU」「GPU」の3つを取り上げたいと思います。

 

PCに興味のある方、自作PCをやってみたい方など、ぜひお読み下さい。

 

※パーツによって解説の濃さに差が出てきますが、どういう役割をしているのかだけは最低限分かるようにしてあります。また自作時のチョイス注意点レベルまで書いてある場合もあります。
※Windowsマシンのお話しです。

「マザーボード」は全てのベース

PCを支える基盤、マザーボード(Motherboard)です。これがないと始まりません。

そのわりに意外とその存在すら知られないパーツ。メーカー販売の既製品ではスペック表に載らないところです。PCショップ製のゲーミングPCなどは、製品名が記載されていることもあります。

マザボと呼ばれたり MB や M/Bと表記されることもあります。

写真は B450 I AORUS PRO WIFI rev1.0 (GIGABYTE社製)
サイズは一辺170mmの正方形

基盤にはケーブルを挿す端子や、装置を差し込むスロットが数多くあります。これ以降に出てくるCPUやメモリなども、全てここに挿します。後は基盤に大量の回路があり、色々なパーツを回路で繋いで制御します。人間で言うと神経や臓器といったところでしょうか。

 

マザーボードも様々なメーカーから多くのタイプが発売されていますが、サイズについては規格でいくつかの種類に定められています。写真のマザボはmini-ITXという小型PC向けの基盤で、小さめなPCケースにうまく収まるような設計になっています(というかケースが合わせています)。これ以外にも数種類サイズがあり、特に自作PCで一般的に使われるサイズはATXというもっと大きなサイズになります。

「CPU」は頭脳

ありとあらゆる計算や処理をする、PCの頭脳にあたる部分です。”Central Processing Unit”を略してCPU。日本語では中央演算処理装置です。

インテル(Intel)」といえば聞いたことある方も多いでしょう。代表的なCPU製造メーカーのひとつです。

もう一つは「AMD」というメーカーがあります。およそこの2大メーカーになります。

写真は AMD の RYZEN(ライゼン) 5 3500

下の緑の部分がチップ部分、上の銀(写真で黄色がかってます)をヒートシンクといい、この上に装着するクーラーに熱を伝えます。CPUというはかなり発熱をしますので、冷却性能が大切になってきます。マザーボードの中央部分(CPUソケット)に載せ、レバーでロックします。

製品グレードによって動作速度が違い、性能が良いほど処理速度が速いとされますが、そのぶん価格も高くなってきます。

 

グレードや性能の見方

例えばネット通販であるPCを見たとします。CPUの部分に次のように書いてありました。

インテル® Core™ i7-10700 プロセッサー
 8コア/16スレッド 2.9GHz(最大4.8GHz) キャッシュ16MB

まず青の部分は製品名です。メーカーやシリーズ、モデルが書いてあります。
この場合はインテルの Core i7シリーズの、10700というモデルです。

次に赤の部分は動作周波数(ギガヘルツ単位)。この数字が高ければ高いほど、CPU自体の動作は高速になります。つまりCPU性能を示す代表的な数値になります。

ところで最大4.8GHz…となっていますが、常にその数値で動いている訳ではありません。常にアクセル全開で車を走らせるようなものです。PCでは消費電力が高くなり、発熱もバカになりません。この場合2.9GHzというのがベースになり、負荷などに応じてそれ以上のパワーを出すわけです。(実際のところCPUや設定によっては、CPU使用率によってこれ以下にも変化することがあります)

 

最後に緑色の部分はどのくらい並列作業が出来るか、という項目です。

ざっくりした例え話になりますが、CPUの中にロボットがいるとしましょう。
ロボットの台数 = コア数。つまり1台なら1コア(シングルコア)
・そのロボットが同時に1つの処理しかできなければ1スレッド(シングルスレッド)
4台あってそれぞれが同時に2つ処理が出来るなら、4コア / 8スレッド (ロボ4台x2)
6台あってそれぞれが同時に1つ処理だけの処理なら、6コア / 6スレッド (ロボ6台x1)
つまり 8コア / 16スレッドは「ロボ8台それぞれ同時2処理可能」

ロボをコアに戻しましょう(笑)。動作周波数との関係ですが、4.8Ghz÷8コアなど、コア数で割ってしまうわけではありません。コアがそれぞれ独立した周波数を持っています。


自分のPCで動作の瞬間を切り取った様子。およそ4GHzや3.6GHzのコアがある。

ならばコア数が多ければ多いほど有利なのか

結論から言うと、一概にそうとも言えないらしいです。

というのも、理想は全コア同時に最大の周波数で動いてくれることですが、実際は難しく、多くのコアのCPU使用率が同時にあがるほど、その時の動作周波数のピークは下がる傾向にあることが多いらしいです。(CPU使用率=CPUの仕事量・負荷量)

僕のPCは 6コア / 6スレッド 最大4.1GHzなのですが、1,2コアが頑張ってる位なら4.09GHzあたりをマークすることも普通にあります。しかし6コア全てが同時にCPU使用率100%近くだと、全てが3.8GHz台になることもあります(※)

またコア数の2倍スレッド数があるからといって、単純に性能が2倍になるわけではありません。

じゃあなんでコア数の多いCPUがどんどん登場するかというと、処理によっては1コア100%ガンガン動かすよりも、(そこまで大変な仕事じゃ無くても)コア数を増やして同時に処理を行う方が効率が良いことがあるため。結果、処理が早く終わる。動画の書き出し(ビデオエンコード)なんかは代表的な例かと思います。

対してゲームはあまりマルチコアを使わないため、コア数よりも動作周波数のほうが重要、という話もよく聞きます。(もちろんゲームによると思います)

 

(※オーバークロックという設定手法で、通常以上に動作周波数を上げることも一応可能です。例えば100%であっても4.05GHzに固定、など。ただし保証外になったり設定を誤ると故障や劣化の原因になります)

CPUとマザーボードの関係 (自作向けのお話し)

CPUだけ異様に長くなってしまいましたが、自作PCを組む方はパーツ選びで超重要なポイントです。

それは、買おう(使おう)としているCPUに対して、マザーボードがサポートしているかということ。

大きくわけて次のような注意が必要です。

・Core iシリーズなど、IntelのCPUに対応しているマザーボード / RyzenなどAMDのCPUに対応しているマザーボード。この違いはそもそも物理的に入りません。

・世代の進化によって、同メーカーの中でも使える/使えないの互換性があります。
僕のマザボ(B450 AORUS I WIFI PRO / GIGABYTE)のCPUソケットはAM4というタイプなので、いま最新の第4世代Ryzen(Zen3)は物理的には載りそうな気がします。ただしこのマザボはRyzenの第3世代までしか対応していません。マザーボードの「サポートするCPUリスト」にも載っていません。

・世代は共通でも、主にサーバー用途のCPU(Intel の Xeon や AMD の Ryzen Threadripperなど)はサイズ自体も規格も違うため、使えません。

古いマザーボードに新しいCPUが載らないのはなんとなく想像つくと思いますが、逆もあります。
AMD系では、新しく上位なX570マザーボードは、古い第1世代Ryzen(と一部の第2世代)はサポートされなかったりします。「お古のCPUを譲ってもらったから、とりあえず最新鋭のマザボを買っとけばOK!」とはならない可能性がありますのでご注意を。

もし先にCPUを決めたのなら、目星を付けているマザーボードがそのCPUをサポートしているのか、マザボの仕様をWebサイトなどで確認する必要があります。もし定番や売れ線の製品であれば、ブログやYouTube動画でも情報を探せるかもしれません。

自作で何より大切なのは、自分で調べること!です。

※製品名にも付いているB450やX570は、チップセットという別の規格になります。話が深くなりますので別の機会に。

「GPU」は複雑な画像処理の専門家

特にゲームPCを検討する方が、CPUとともに重要視するのがコレ。
Graphics Processing Unit” 訳してGPU、コンピュータ処理のうち、画像処理を専門に扱う装置です。

日本語だと「ビデオカード」や「グラフィックボード(略してグラボ)」、なんて言われたりします。

マザボの小型版のような基板にヒートシンク(熱冷まし金属)と冷却ファンが合体した、PCパーツの中でもトップクラスの大型装置になります。

下の写真は ZOTAC「ZOTAC GAMING GeForce GTX 1660 SUPER Twin Fan」を、マザボのPCI-Eというスロットに差し込んだ状態。

グラボのなかでは、中の下くらいのサイズ感でしょうか。全長が短く小型ケースにも収まるので助かります。2万円台半ばとお手頃な価格でありながら、フルHDならおよそ困らないバランスの取れた製品。(格違いの超高性能品だとこの10倍くらいします…)

用語がごっちゃになりやすいので補足しますが、上記の装置自体が「グラフィックボード(グラボ)」です。GPUはグラボの基板上にあるCPUのようなチップを指します。グラボとGPUの関係は、CPUとマザボのような感じだと思います。

 

名前に「プロセッシング」と付いているわけですから、処理専門の装置ある点はCPUと同じです。

とすると「CPUって優秀なんだから、画像処理だってお手のものじゃない?」という声が聞こえてきそうですね。

動画を再生させたり、写真を加工したりするくらいのことはCPUでも十分です。

ただそれが3Dの世界となってくると話は別。

例えば空間にある物体の光や影の計算、反射などをシミュレーションさせて、それを実際平面の画面に映し出す、しかも毎秒数十回。とても大変な計算量です。

もしCPUの能力をそれらに全振りしてしまえば、Windowsが止まってしまうかも知れません。仮に全振り出来ても能力不足でしょう。

そこで「餅は餅屋」です。そういった計算方法を知り尽くした、専門家に任せてしまいます。それがGPU。

基本的に搭載してドライバ(制御ソフト)をインストールしてあげれば、勝手に動いてくれます。ソフトによって画質や軽さの優先バランスが取れますので、使いやすいように色々設定してみるのが良いでしょう。

実はCPUのなかにもGPUは内蔵されている…??

実はCPUの中にもGPUの機能は入ってたりします。特にノートPCはその傾向にあります(もちろんデスクも)。

もちろんグラフィックボードに搭載されている、GPUの処理性能には追いつきません。

必要環境をあまりに無視すると「動作が重い」「エラーで動かない」という自体が発生します。

 

もっともネットやオフィスソフトなど、普通に画面に描画する分にはそこまでの性能はいりませんし、そのくらいの仕事はCPUのチップの中で完結してくれるとありがたいのです。

が、自作のためのパーツ選びに置いては、この常識が通用せず落とし穴があったりします。

自作の落とし穴:GPUが絶対必要な構成

「自作組むけど低予算で始めたいから、グラボは後回しでいいか!」

ありがちな話なんですが、「GPU機能を全く搭載していないCPU」も結構あります。AMD系のほうがその傾向が強いかも知れません

これをミスると何も映りません。

グラボを挿した場合はその背面にある映像出力端子を使うのですが、マズいことにマザーボードにもHDMIなどの端子があります。ここが勘違いしやすい点です。

GPU非搭載のCPUを買ってグラボを挿さずにマザーボードのHDMI端子に繋いだけど何も映らん!」

という事態にならないよう…

僕個人としては、自作PCを組むならグラボは基本構成だと思って購入することをお勧めします。何かと役に立ちますし、何よりもCPUの選択肢が減ってしまいます。

もし事情でグラボを付けられないのであれば、必ずGPU搭載モデルのCPUを買いましょう。

搭載の有無は調べればちゃんと分かりますので、手抜かり無きよう。

本当に3D系にしか使わないの?

確かに3Dを主とした画像処理に長けていますが、それ以外にも役割はあります。

例えばYouTubeなどに上げる動画の書き出し。ソフトで編集中の動画を、実際の動画ファイルに変換することを「ビデオエンコード」言います。通常はCPUの処理ですが、例えば Adobe Premiere Proの最近のバージョンでは、GPUに任せる設定も可能です。これを「ハードウェアエンコード」といい、CPU時に比べて速度は段違いです。

ゲームではありませんが、3DCGの時も編集中や画像の出力(レンダリング)時に使われることがあります。

あとは今流行の人工知能でしょうか。また非常に膨大な量の科学計算は、複雑な画像処理をするための計算と似通ったところがあるらしいです。何もゲームだけに使われる訳ではありません

もちろん通常のWindows上の動作でも、状況次第では何かと使われていることが多いです。

GeForce VS Radeon

CPUに Intel と AMD の二代メーカがあるように、GPUメーカーにも nVidiaAMD があります。

nVidia(エヌヴィディア)の代表的なシリーズは GeForce(ジーフォース) シリーズ、AMD は Radeon(レイディオン や ラデオン)が、有名です。

CPU・GPUともに AMD がありますが、Radeon はそもそも ATI Technologies というメーカーのもので、2006年に買収されました。

「IntelのCPUを載せたPCでは、(AMDの)Radeonは動かないのか?」

その心配は無いのでご安心を。

逆もしかりで、僕も写真を載せているように CPU は Ryzen 、GPU は nVidia という組み合わせで使っています。(Ryzen なら AMD統一してRadeonだろう、と拘る方ももちろんいらっしゃいます)

なら写真のZOTAC社って何?(販売メーカーについて)

実はグラフィックボード自体は、この2社以外の様々なメーカーも販売しています。この点はCPUと大きく違う点です。

販売メーカーが元のデザインに手を加えており、こういうのをオリジナルモデルと言います。僕の持っているのは、「GeForce GTX 1660 Super」のZOTAC社オリジナルモデル、といったところでしょうか。

オリジナルモデルのメリットとしては、サイズや販売社ごとのアレンジなど選択肢が多くあり、価格も色々検討出来るということでしょう。

対してnVidia や AMD が製造したいわゆる「純正」もあり、それらはリファレンスモデルと呼ばれます。

リファレンスモデルのメリットとしては、新作がいち早くゲット出来るということかもしれません。オリジナルモデルの製作・販売はどうしても後になってしまいますからね。

蛇足:昔はやっぱりCPUだった?

僕の記憶と経験で、今から20年前くらいのお話しですが…今みたいな超リアルな3D技術はまだ無く、CPUがその役割を担っていました。ビデオカード自体も存在しましたが、小さかった画面解像度を上げたり、ビデオ映像を取り込む端子があったり、とそんな役割が主だったと思います。

そのうちに今のグラボのような処理を担う装置が開発され、それを搭載したPCでは「ハードウェア・アクセラレーション」という機能(モード)で、同じゲームでもよりキレイに/滑らかにプレイ出来るようになりました。もし無ければCPUを使った「ソフトウェア・アクセラレーション」になります。

ちょうどそのころ使ってたPCが唯一のデスクトップだったのですが、「コレなら使えるだろう」とグラフィックボードを買って突っ込み、無理矢理性能を上げたのは良い思い出です。今考えれば電力不足だったんじゃないかなぁ…

 

次回はメモリやハードディスクについて

いかがだったでしょうか?

まだまだ続きはありますが、今回はここまでにしたいと思います。

本当は1回で全部済ませるつもりだったんですが!(このペースだと分量が)

 

それでは、また次回の記事でお会いしましょう!

 

※投稿同日、一部加筆修正しました。

 

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