こんにちは。木内です。
久しぶりに音楽のことについて書こうかなと思います。
(はじめはFacebookに書くつもりでしたが、絶対に長くなりそうなのでこちらへ…)
「調性」についてです。
楽譜に出てくる#(シャープ)や♭(フラット)、あれ。
ト音記号の右側に書いて鬼のようにあったり無かったり。(※音符のヨコの#・♭も含めておきます)
「あー、ピアノだと黒鍵弾くヤツでしょ!」
ハイ、だいたいあっています。(でもそれで100%通用すると思っているとイタイ目にあいます)
はじめに調性についてすごーーーく簡単に書きます。
なお今回は調判定方法とかのハウツーはありませんので、そのあたりはご了承下さい。
調性って?
Cメジャーキーとかハ長調なんてワード、音楽シーンで耳にしたことがあるかもしれません。それのことです。
…だけだと説明にならないので。
色々な曲ってそれぞれ明るかったり、暗かったり、何か音の響きが違ったり。リズムだけでなく、音の高さや動きにも正確がありますよね。
コレってしっかりした決まりがあって、例えばドが土台となり、順番にドレミファソラシ(ド)と並べたとしましょう。このように一定のルールで順番に並べると、音階(スケール)になります。
これが色々ありまして例えば、Eメジャーキー(ホ長調)はドレミのミから始まる、明るい音階で構成されている曲。Dマイナーキー(ニ短調)はレから始まる、暗い音階で(以下略
要はどこから始まる、明るいor暗い音階というのが、主に西洋音楽には一般的には存在するわけです。(もちろん無いのもありますし(無調)、日本っぽい…とか民族的な音楽はドレミソラ、とか音階の音が数が少なく、この概念に当てはまらないこともあります)
表記が英語日本語がまざっていますので、今回は日本語で統一したいと思います。(本当はドイツ語にしたい…)
その情報は「調号」として楽譜に書いてある
さて冒頭でもチラッと書きましたが、楽譜にはト音記号やヘ音記号(音部記号って言います)の右側に、その曲の調性を表す#や♭書きます。これを調号といいます。
ハ長調・イ短調は何も書きません。(だからハ長調だと「読みやすい」という風潮が生まれやすい)
調号は書ける数は楽譜のルール上7つまで。ド・レ・ミ・フ・ァ・ソ・ラ・シと、7つの音それぞれにつけられますからね。(ただし♭7つは実際、調号としてはほとんど登場しないと思います)
例えばヘ長調・ニ短調の調号はシに♭1つ付きます。という事は当然、♭1つ付いている調はヘ長調・ニ短調のどちらか、と言い当てることも出来ます。(どちらかは別途判断)
音楽の授業のテスト問題になることもあり、そのためかYouTubeでもこれの覚え方を教える動画を見かけます。
馴染みがないと丸暗記は面倒かも知れませんし、記号の位置から割り出す方法とかは便利です。
一度でなくても、よく出てくる調からで構いません。当然のように馴染んでほしいのです(切実)
新曲の譜読みで#♭の付け忘れによる音程間違い(ミスタッチでなく認識ミス)をした場合、その違和感に気付くようになります。更に調性の意識感があると、そもそもその間違い自体が起こらなくなります。
ちょっと話が逸れました。
調判定?
前項の「調号から調性を言い当てる」も、強引に言えば調判定の部類に入るかもしれません。
しかし一般的に調判定(調性判定、調性判断とも)というのは
「臨時記号のみで書かれたフレーズを分析し、何調かを判断する」
を指すと思います。
『いや、だって調号あっての調性でしょ?』
その通りです。調号を使わずぜんぶ臨時記号で書くというのは、ごく限られたものを除き通常行われません。
じゃあこれがどこで出てくるかというと、音大入試や試験問題でしか出てこないと思います(汗
(入試でも難しいほうかも)
なお僕の場合は記憶の限り、直面したことはありません。なかった、よな…?
いわゆるメロディーだけで、それも楽譜にしたらせいぜい1段分とかそのくらい。
当然、伴奏とか和音なんて一切出てきません。和音出されたら想像しやすいですしね^^;
問題として出ると言うことは、解き方というのも存在するわけで。高校時代に使っていた理論書には、かなりのページ数を割いて解説が載っていました。
解く過程を見て、理屈としては分かります。が、これがなかなか面倒くさい。。。
以前、音大受験生のレッスンでここもやる必要が出てきましたので、そうとも言ってられず。
解説しながら、高校の時にチラッてみたなーって懐かしんでいた次第です(生徒さんはちゃんと理解してくれました)
歌っちゃえば早いのでは?
ここまで読んだ上で
『そんなの、考えなくても見て(頭の中で)歌えばだいたい分かるでしょ?』
と思ったそこのアナタ!僕もその派です(笑)
その聞き馴染んだ、演奏し慣れている作品は、およそそういった理論で構築されたものだと思います。クラシック音楽や童謡唱歌は特に分かりやすく、ポピュラーでも同じかな。
理屈を説明しない以上は感覚ということになってしまいますが、それで通用してしまうのが音楽の不思議なところ。
なお経験で言ってしまうと何らかの感覚で言い当てられるなら、調判定に作られた問題も”ほぼ”通用してしまいます。
ただ中には平行調や同主調でどっちつかずの2択から絞れないという、意地悪な問題が出てきます。この時だけはちゃんと解法を持たないといけません。
その意地悪問題、手法を学んだ上での演習ですから然るべき設問なんでしょうが、個人的にはこの存在は意地悪すぎると思います。
だってこれが実際の曲ならどっちにだってなるんだもん!(それ言ったら多分アウト)
そういえば高校の時にも全く同じ事を考えていました。その疑問はとけていません。
部分転調について
調性の確定=調号が必須と書いてしまいましたが、大事な例外ありました。(例外で片付けちゃいけないレベル)
一つの作品が一つの調のまま進むとは限らず、曲の途中で調性が変わることもよくあります。
これを転調と言いますが、例えば半分から最後までザックリ変わるなら、途中で調号を書き換えられます。
でもよくあるのは、大きなフレーズの終わり4小節だけ調が変わってー…、みたいな部分的な転調で、この時は先出の臨時記号で対応します。いちいち調号で変えていたら楽譜が見にくくて仕方ありません。
結局どうなのよ?
一般的な(実用的な)楽譜には、調にあった調号が書かれています。当然の話。
全部臨時記号で書くというのは、例えばテレビ番組の収録でカンペを出しておくところを、出演者が話そうとする度に、スタッフがいちいち原稿を渡しにいくようなものです。
つまり、あえてそう書いた楽譜を分析するのは現実的じゃないし、必要性が分からない。
“聴いて”調を判断するのは調判定?
…あまりに本音が過ぎました。視点を変えましょう。
個人的には調判定というと「手元に楽譜がなく」「耳で聴いた曲の調を当てる」ことを指すものだと思っていました。
いわゆる「耳コピ版調判定」。楽譜が無いわけですから、調号の存在有無も関係ありません。
ラジオやテレビ、CDとかから聞こえてくる音楽で、昔からよく遊んでました。
さっき「楽譜を見て分かるのでは?」と思ったかたは、おそらく耳で聴いても同じ事だと思います。
また楽譜を読むのが苦手でも、ギターでコード弾きとかしていて、やはり調性に対する感覚があれば同じ事かも知れません。思いつきで書いてしまったのでちょっと根拠は薄いのですが。
この「感覚」がどういう感覚なのか、なんで出来るのかを説明するのは、非常に難しいです。(誰か説明出来る人…)
まとめ
話の終点が分からなくなりました。
書き殴ってしまいましたが、理論と感覚をバランスよく伸ばしていかれれば、それで良いと思います。ピアノもしかり。
プレーヤーとして音楽の先生として、何より音楽を楽しむ者としての結論です。
この調判定の理論の件、振り返れば高校の時からずっと気になっていた疑問でした。
まるで「喉につっかえた魚の骨」のごとく、年イチくらいで考え込んでしまいます。
が、これを機会に考えることに一旦終止符を打ちたいと思います。答え出ないし。
同じような事で悩んでいる音楽家の方が、いないことを願いつつ(笑)
長文のお付き合い、ありがとうございました。
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