こんにちは。木内です。
ピアニストではありますが、音楽に携わるお仕事をしている以上、演奏だけでは用事が済まないことが多々あります。
楽譜制作がその一つです。
「音工房クララ」では楽譜制作に関するお問い合わせも多く、楽譜の浄書(清書)から編曲までお仕事をさせていただくことがあります。
もっとも、自分が演奏したい楽曲の楽譜がなかったり、他の楽器と合わせるにうまくマッチしなかったりなどありますので、自分や演奏メンバーが使う楽譜も作ることが多いです。
今日はそんな楽譜作成についての、ちょっとしたお話しを。
“楽譜”を作るためのソフト Finale
いずれにせよ、楽譜を手書きで完成させるというのは、よほど自分用のちょこっとした譜面でないかぎり厳しいので、いつでも楽譜作成ソフトが立ち上がるように備えてます。
僕の場合は定番の「Finale」(フィナーレ)を使っています。学生時代から使用してますが、バージョンアップを重ねて随分使いやすくなってきたと思います。というか Finale 2002の頃が使いにくすぎたような?
スコア(総譜)を書いていけばパート譜は自動的に作られますし、双方自由に行き来して編集出来ます。なので数パートのバンドスコアはもちろん、オーケストラや吹奏楽の楽譜を書くにも効率よく作業が出来ます。余白などレイアウトは、必要ならば自分で調整しなければなりませんが、慣れれば何とかなります。慣れれば。
移調もラクラク
非常に多機能なので、いくつも紹介したことがありますが、今回は1点。
PCでの楽譜作業でとても便利なのが、移調です。演奏する(あるいは楽譜の)音程の高さを変えること、すなわち、カラオケでいうところのキーチェンジです。
たとえば…手元にヘ長調(フラット1つ)の楽譜があり、これを最終的にト長調(シャープ1つ)にしなければならない場合。キーチェンジなら+2です。よくありそうな音の幅。
音楽の専門家なら出来なければならない作業です。
が、出来る出来ないと手間は別問題!
頑張って頭の中で移調し、最初から移調後の高さでFinaleにガシガシ書き込んでも良いのですが、ソフトに移調機能があるんですねぇ。
なので取りあえず楽譜通りに打ち込んで、移調したい調を指定すればOK。シャープやフラットの判断もおよそ、適切に判断してくれます。
本格的な”音源”を作るソフトではない
「人が読む楽譜」を作るのが本職ですが、もちろん打ち込んだ楽譜を再生させることもできます。しかし楽譜作成ソフトであって、DTMソフトではありません。
今はソフトシンセの発達により、かなり良い音色で演奏させることもできますが、 Cubase や Ableton Live などのように、「聴くための音源」を作り込むまでは難しいものがあります。
「Human Playback機能」などを使えばプレイバックに味が付き、いかにも”コンピューターチック”にならない、という特徴はありますが、楽譜以外の制御の指示や編集は制限があります。
そこが以前記事で書いた DTM (DeskTop Music) と違うところです。
逆に Cubase も 上位グレードになると楽譜作成の機能があったと思います。というのも画面すら出したことが無いのですが(Finaleがあるので)、Cubaseで作成した、プロジェクト内のデータをとりあえず楽譜化するには、便利かも知れませんね。
DTMソフト楽譜作成ソフト、双方でデータを行き来させるのは、案外手間なんです。そのためにもMIDI形式がサポートされてはいるのですが…
いずれにせよ「餅は餅屋」です。
「音源を作りたいし、楽譜もガッツリ書きたい!」というのであれば、1つずつでも両方用意する必要があると思います。(あ、グレード次第では合わせて10万超えますので)
試しに書き始めた “Strong Than You”の歌譜
そんな楽譜作成ですが、何も受注案件や、演奏のお仕事で必要なものだけ作っているわけではありません。完全に趣味の内容でも使ってます。
とにかく日ごろ使ってないと「小節の途中分割ってどうやるんだっけ?」とか、使い方と操作感を忘れるソフトです。個人的には。
最近ハマってる UNDERTALE ですが、つい数日前から聴き始めたファン作品の “Stronger Than You”、これ歌いたいなーと思いまして。
とはいえ、まず楽譜がない。
しかも登場人物別におそらく3パターンあり、歌詞が違う。(アレンジはもっと種類あるけれど、歌詞は Sans,Frisk,Charaの3人じゃないかな)
その歌詞だけはネットで即見つかった。
うーん、探すより作ったほうが早いか。
iPhone片手に音源聴きながら、ざっくり歌パートだけ採譜。採るのも音程自体は簡単。
ところがなぜか、音符に対する歌詞の割り当てで難航するところが多数。
そりゃあこんな感じですからね (小さくて見にくいです(m__m) )
歌詞を入れながら思ったのが、1単語が複数の音符にまたがっている場合に入れるハイフンが、本当にこの場所で適切なのか。うーん、普段英語の楽曲を歌わないし、その上楽譜を見る機会があまりないからなぁ。
全編英語歌詞の作業は滅多にない、というか今まで無かったのですが、これから何があるかわからないので、これを機会に勉強します。あ、その手の楽譜を見れば一発か!
最後に。
この曲、歌うのがメッチャムズイんですが…!
お後がよろしいようで。
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