こんばんは、木内です。
皆さん、ピアノのおけいこでよく聞く楽譜の本の名前というと、何を思い浮かべますか?
「ハノン」「ツェルニー」「ブルグミュラー」など、色々聞きますね。「バイエル」もそうです。
いずれもピアノの入門~基礎力をつけるための練習曲集です(ツェルニーの一部除く)
レッスンされる先生方や音楽教室の方針で、使う教材は変わってきますが、今回は僕が主に使っている教材を、簡単にご紹介したいと思います。
総合入門向け教材「バイエル」
実は「バイエル」は音楽家の名前です。バイエルに限らず、先ほど出てきた本の名前、全て音楽家であり偉大な教育者なのです。
いくつか教則本が出ていますが、共通の特徴としては
5本の指をしっかり使い、ドレミの位置や音符の長さなどを確認しながら、ピアノの基本的なテクニックを身につけるもの。
といったところでしょうか。後の方になってくると、少し短めの、でも両手で違うことを弾く曲が登場します。
入門の頃であれば、ピアノを弾くための基礎力(スタミナ含め)を養うところから、簡単な曲を弾けるようになるまで、幅広く使えます。その分、全部やろうとすると分量は多めです。
僕もバイエルから始まった人ですが、赤い上巻と黄色い下巻があります。前者が40番くらい、後者が100番くらいだった記憶があります。
「ドレドレ ドレドレ ド~」の1番は今でも覚えてます(ん、そうだったっけ…?)
今の時代どうだろうと、楽譜を購入する際に探したらありました。全音楽譜出版社から出版されている「子どものバイエル」がそれですね。
これだと音符や楽譜が大きく、説明も分かりやすくかいてあるので、先生と一緒にお子さんがしっかり勉強しやすい特徴が有ります。同社の「標準バイエル教則本」もあります。
僕の教室では今のところ、完全にピアノを一から始めた生徒さんが1人だけ。全くピアノを触った経験が無かったので、入門として音楽之友社出版「バイエルピアノ教則本」選択しました。
とても長いお付き合い「ツェルニー」
かの有名なツェルニー先生の練習曲集です。
何が長いお付き合いなのか… それは
「ツェルニー 100番練習曲」
「ツェルニー 30番練習曲」
「ツェルニー 40番練習曲」
「ツェルニー 50番練習曲」
と、豊富なラインナップにあります。
このほかにもまた「110番」や「8小節の練習曲」などもありますが、○○番とあるように、一冊にそれだけ収録されています。上の4冊をこの順番で書いたのには意味があり、この順番で難しくなります。30が数字少ないからラクなやつ?とかではありません(汗)
50の後には「60番」というとても難しいものが存在します。ここまでくると比較的特殊な、目的を絞った技術を身につけるための曲集になるようです(立ち読みして、いつも買おうか迷ってる…)
今回は、土台となる100番練習曲をピックアップしてみましょう。
100番練習曲
初めのうちは1曲に登場する音域(最低音から最高音の幅)が限られ、リズムも8分音符くらいまでと、譜読みがしやすい曲が多いです。あとは見開き2ページに2~4曲というレイアウトなほど、とにかく短い。バイエル(やそれに準ずる教材)をある程度勉強した生徒さんなら、片手ずつそして両手、という基本的な練習方法を押さえていれば、とりあえず弾くことは可能だろうと思います。
教えた経験では、ちょうど10番かそれ以降くらいから、少し難易度があがり集中力を要します。まだ複雑なリズムは出てきませんし、ものによっては1曲通してずっと同じような感じで進みます。が、音が少しずつ変わってくるので、自分が弾いている音をよーく聴いてあげないと、間違えに気付かないまま進むこともチラホラ。19番あたりは音階もバッチリでてきます。22番では、左手を右手が頻繁に飛び越えてみたり… 34番は初めて長めのトリルが出てきます。
僕も大学の授業でも主に中級クラス以上でツェルニーを使っています。初級はバイエルのかわりに「グローバーピアノ教本」という教則本を使っていますが、それを一定のところまで勉強して卒業した学生に、「それじゃいよいよツェルニーに入ろうか!」と勧めることもあります。
1番に話を戻します。実はこの教材に入る段階で、既に童謡の伴奏などでピアノを弾き慣れていると、ツェルニーのほうがラクな場合があるのです(特に5番くらいまで)
なので、とりあえず弾いてみた感じになってしまい、弾けたつもり(厳しく言えばいい加減)になってしまう例があるのです。
確かに1番は譜読みしてすぐ弾けてしまえば、弾くには簡単でしょう。
しかし
「テンポは速すぎないか」(速けりゃ良いってもんじゃない)
「音はむやみに切ってないか」(レガートで音を繋げましょう)
「休符で音を伸ばしっぱなしなってないか」(夢中になってると切るのを忘れます)
「音量がむやみに変わっていないか」(タッチも気にしましょう)
と、音程やリズムなどの「楽譜の読み」に余裕があればなおのこと、楽譜を正しく理解して、丁寧に練習する習慣をつける必要があると僕は思います。
このことは良くも悪くものちに大きな影響を及ぼしますので、1度だけ、かなり厳しく指導しています。
因みに100番練習曲も62番からは第2章となり、さらに高度なテクニックや表現方法が要求されます。
また100番は全てやってしまうとものすごい年月を必要としますので、先生の判断で飛ばしながらで良いと思います。特に第2章は、ある程度進めたら一度30番ツェルニーにステージをうつし、また100番に戻ってきて平行しながら活用するのも、方法の一つだと思います。
次回はチェルニーの続き、そのほかの教則本についても触れていきます。
それでは、今日はこの辺で!
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